苦渋の決断!!
1.東郷病院について
これまで、まちづくり座談会や市議会での質問に東郷病院の方向性は、6月定例議会で方向性を出しますとお答えしてきましたので日向市立東郷病院について報告をさせていただきました。
東郷病院につきましては昨年度、外部有識者や市民代表等で構成する「日向市立東郷病院の在り方検討委員会」におきまして、5回に及ぶ丁寧な議論を重ねていただいたところであります。 東郷病院に対する地元住民の思いを良く知り代表する委員からは、「無床診療所という結論は地元が容易に納得できるものではなく、有床診療所として一定期間運営し、その結果で説明すべきではないか。」という意見や「地元の望む建て替えを優先すべき。」という意見などが最後まで提起されていたと伺っております。
しかしながら、医師確保の困難性や日向入郷医療圏全体の医療提供体制の確保にまで議論が深まる中、異論はありながらも委員会としての方向性をまとめていただき、今年3月末に「無床診療所として運営を継続することが適切である。」との報告をいただきました。
市としましては、この報告内容を重く受け止めまして、「東郷地域の中心的医療機関として住民の健康福祉の増進に大きな役割を果たしてきた実績」、「医師の安定確保の困難性による2度にわたる入院診療等の休止などにより、一般会計からの繰入が続いている現状」、「人口減少や少子高齢化の進行による医療需要の変化、医師の働き方改革をはじめとする医療制度改革の推進などにより、今後も予想される厳しい経営環境」、これらに加え、日向市議会から提出された提言書や東郷地区の方々から提出された要望書等を総合的かつ慎重に検討した結果、5年先10年先を見据えて高齢化が進む東郷地域においては、住民の身近な場所に通院できる環境を安定的に維持していくことが最も重要であるとの結論に至りました。
東郷地域の皆様にとりましては、今回の決定に「納得や理解」もしていただけないと考えますが、医師の安定的確保を図りながら必要な施設整備を行い、「無床診療所」として運営を継続して行くことの苦渋の決断を致しました。
新たな運営形態への移行は、令和3年4月を目標に準備を進めてまいりたいと考えており、本年度中に施設・設備整備に向けた基本構想を策定し、早期整備を図ってまいりたいと考えております。
2.日向サンパーク温泉館の休館について
日向サンパークにつきましては、温泉館「お舟出の湯」をはじめ、「道の駅日向」物産館・オートキャンプ場・体育施設を有する総合レクリエーション施設として、整備を行ってまいりました。特に、温泉館につきましては、市民の健康増進、憩いの場として多くの皆さんにご利用いただいているところであります。
しかしながら、温泉館につきましては、開設以来これまで赤字経営が続き、同施設を運営する「株式会社日向サンパーク温泉」についても6年連続赤字を計上し令和2年3月末時点の累積赤字が約1億1,655万円に膨らみ、債務超過も6,655万円になるなど、大変厳しい経営状況にあります。
このような中で、これまでもスパー銭湯でいいのではないかとか、民間会社での経営など様々な検討を開始した矢先に新型コロナウイルス感染症が発生し、長期の施設休業を余儀なくされ、今後も第2波、第3波の流行が懸念される中、感染防止対策も長丁場となり、加えて「新しい生活様式」に対応した対策が求められるなど、財務状況のさらなる悪化が予想されております。
このような現状で、5月25日に「株式会社日向サンパーク温泉」から、指定館理料の増額など、新たな財政支援についての申し入れがあり、市民の皆さんの健康増進や、従業員の皆さんの雇用を守るためにも事業の継続を図りたいと、様々な検討を行ったところであります。しかしながら、市の厳しい財政状況の中、これまで以上の財政支援や施設改修費用に対する将来の財政負担等を考慮しますと、現状での温泉館の経営継続は困難であると判断し、断腸の思いで9月末をもって休館することを決断したところであります。
なお、「道の駅日向」物産館やオートキャンプ場、体育施設につきましては、引き続き「株式会社日向サンパーク温泉」が第三セクターとして事業を継続していくこととしており、これらの施設の健全経営のためにも、温泉館の休館に伴う財政支援につきまして、今定例会の会期内に追加の補正予算をお願いしております。
これまで長年にわたりご愛顧いただきました皆様や献身的に働いてきていただきました従業員の皆様、また、運営にあたりご協力をいただきました関係業者の皆様方に対し、心からの感謝とお詫び申し上げます。